プチオーバーホールノススメ

改造レシピ一覧

 
 
 
 
 
 
最後のセッティング変更から1ヶ月、走行距離にして約500kmが経つと、当時は良かった加速が
だんだん落ち始めてくる。特に30〜40km/hからの再加速の悪化が著しい。
組んだばかりの時は、アクセルを開けるとギア付き2ストでやるところの「2段落とし」よろしく
回転上昇して、モリモリというかカーンと加速したものだが、最近はアクセル開けると「イヤです」
って言われてる感じで、明らかに回転の上がりが鈍い。
まあ、これにはWRの潤滑性能もかかわってくるのだが、それに関しては 別項(→)で述べよう。
 
ハイスピードプーリーを買ったとき、コーリンの店員さんに「WRにはグリス塗ったほうがいいですよ」
と言われた。確かに塗ったほうが再加速時の回転上昇がよかったが、
500km走行毎に塗りなおさなきゃならんのか?
そもそも、遠心力でグリスが飛んでしまうようなところにグリスを塗ることは合理的と言えるのか?
 
多少のいきどおりは感じるが、駆動系部品の洗浄とグリースアップを行うと
加速性能の回復が顕著であった。この一連の修正作業をプチオーバーホールとでも呼ぼうか。
 
たかだか500km走ったくらいでミッションケース開けるのもいかがなものかとは思うが、
無限セッティング地獄のドツボにハマってる現状を考えればどうということでもない気も....
「最近なんか加速がダルくなってきたな〜」という方はプチオーバーホール、試されてはいかが?
特に「明日はパワーチェック」なんて方にはオススメ。
 
 
 

まずは洗浄作業から

写真では分かりにくいが、ケース内はベルトのカスなどでマックロ。
ブレーキクリーナを噴射してケース内の汚れを洗い流す。
ブレーキクリーナーはショート缶なら1本使い切る意気込みで豪勢に噴射したい。
 
 
P000131s.jpg 洗浄液がしたたる。地球に優しくなさそう。
 
 
 
 
 
 
P000132s.jpg ケースは、センタースタンドを掛けた状態で、中の液体が
ケース後部のドレインから排出されるよう設計されてる
(つまり水などの侵入に備えた設計)ので、
プライマリプーリー側からクリーナーを噴射してゆく。
 
 
 
P000124s.jpg ケース全体、洗浄前。
 
 
 
 
 
 
P000135s.jpg ケース全体、洗浄後。
 
 
 
 
 
 
P000127s.jpg ケース前部、洗浄前。
 
 
 
 
 
 
P000133s.jpg ケース前部、洗浄後。
 
 
 
 
 
 
P000128s.jpg ケース後部、洗浄前。
 
 
 
 
 
 
P000134s.jpg ケース後部、洗浄後。
 
 
 
 
 
 
P000125s.jpg ケースカバー、洗浄前。
 
 
 
 
 
 
P000136s.jpg ケースカバー、洗浄後。
 
 
 
 
 
 
P000199s.jpg ちなみに、私が使ってるクリーナー。
クレはいままで使ってたもの。現在は中西産業という
会社が輸入してる韓国製のクリーナー。
内容量は多いのに価格は安い。MadeInJapanは押されてる。
 
 
 
ケースなどと同様に、プライマリスライディングシーブ内部とドライブフェイスも洗浄する。
オイルシールも外して、ラジオペンチなんかでツマんでクリーナーひたすら噴射。
 
P000129s.jpg プライマリシーブ洗浄前。
 
 
 
 
 
 
P000138s.jpg プライマリシーブ洗浄後。
 
 
 
 
 
 
Vベルトも洗浄。クリーナーを噴射して最後に雑巾でシゴいて油分をぬぐう。
 
 
 

次はグリースアップ

グリスを塗るのはプライマリスライディングシーブのスライド穴内側とWR、それとWRがコスる部分。
 
スライド穴内側にはたっぷり塗布して、はみ出したグリスは入念にふき取る。
WRとWR摺動部は綿棒を使ってスリ込むように薄く塗布する。どうせ遠心力で飛んじゃうんだから
たっぷり塗布したって、ケース内部が脂ぎるのが関の山だ。
昔のJOGの油漬けプーリーがなつかしい。
そういえばJOGの油漬けプーリーの油機構を取り除くと(これが邪魔で変速域が伸びない)
トルクの谷は出るは加速性能は落ちるはで、最高速をとるか加速を取るか悩んだものだった。
 
 
 
P000202s.jpg プライマリスライディングシーブの軸受けメタルと
オイルシールとメタルの隙間にグリスをスリ込む。
スリ込んだら、ボスはシーブの表側(テーパー面側)から挿入する。
ボスを挿入する際、余ったグリスを押し出すので、ベルト側に余りグリスを
ハミ出させないための配慮だ。
 
 
P000204s.jpg シーブ内側のグリス塗布はオレンジで示した部分。
塗り過ぎないように。
 
 
 
 
 


G−Axisは対象外だが、JOG系の車両ではミッションケースガスケットを新品に交換すると、
最高速が上がることがある。くわしくはこちら
 
洗浄とグリスアップが済んだらいつも通り組み立てて作業終了。  
 
 

で、この一連の作業はホントに全部必要なのか?

何回かプチオーバーホールを行うと、「今日はカッタルイからこの作業省こ」なんてこともしたくなる。
でも、省くと加速性能が向上しない作業があることが分かってきた。
 
いままで行った作業の組み合わせとその後の性能回復の関係、
 
・洗浄+ボスグリスアップ+WRグリスアップ→○
・洗浄+WRグリスアップ→再加速性能△
・ボスグリスアップ+WRグリスアップ→○
・ボスグリスアップ(オイルシール外さず)+WRグリスアップ→○
 
洗浄せず、WRグリスアップせず、ボスのみグリスアップという組み合わせは試したことがないが
「ボスにグリスアップしたら加速性能が向上した」との記述をだれかのページで見かけたことがある。
ボスグリスアップ以外の作業をしたかどうか分からないので、なんともコメントできないが、
洗浄はかならずしも必要はない(ケース内全洗浄のこと。ベルトは洗浄すれ)ということはできそう。
 

というわけでプチオーバーホールのポイント
・ドライブベルトと前後シーブテーパー面清掃
・プライマリスライディングシーブスライド穴内側にグリス塗布
・その際、オイルシールまで外す必要は無し
・ウェイトローラ周辺に薄くグリス塗布
・ミッションケース内の汚れは、気になったら洗浄

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