フロントブレーキリファイン
フロントブレーキを強化して(→
参照
)1年になるころ、郵便カブに突っ込まれました。
カブが路地からの出口で一時停止して、目が合ったのでそのまま止まってるんだろうと思ったのに、
発進して突っ込んで来まして....
幸い、わたしは大通り直進でしたが左折のために減速中だったので、
衝突するまでに更に速度を落とすことができて、
双方とも転倒も大した傷もなく済みました。
多分郵便配達員さんにしてみれば....
いつもの路地出口で一時停止
↓
クルマなどが来ないことを確認
↓
発進
と、一連の動作を今日も変わることなく遂行しようと思ったんでしょうが、
一時停止で右からバイク(わたし)が来てることを確認できたのに、
一連の動作を途中で止めることができなかったんでしょう。
公務員らしいといえば公務員らしいや。
大した被害もない(向こうも)ようなので「気をつけてくださいよ」とだけ言って家路を急ぎましたが、
しばらく走ってるとブレーキング時に指に「ギコギコ」と違和感を感じます。
ディスクにカブのレッグシールドが当ったと見られる白いキズがありましたが、
ぶつかったものはグニャグニャのレッグシールドでも、
ホイールとディスクを繋ぐアダプタプレートがアルミの薄板だったので、
この部分が歪んでしまったようです。
と、まぁこんなことがあってディスクの修正をすることになったので、
以前から気になってたタッチのフニャフニャ感の払拭も含めて、
フロントブレーキのリファインを行うことにしました。
ブレーキタッチの改善
このブレーキシステムを作った当初、エア抜きをすれどもすれどもなかなかフニャフニャ感が抜けませんでした。
キャリパーをひっくり返してコンコン叩いてからエア抜きをしてみたりして、
その都度小さな気泡が出たこともあったんですが、
なんかそんなんじゃなくてボスキャラ級の気泡がどこかに残っているような、そんな感じのフニャフニャ感でした。
挙句の果てにはホースをEARL'SからGOODRIDGEにしてみたんですがそれも効き目ナシでした。
もっとも、実用上は制動力は十分にあるし、言い方を変えるとメーカー出荷の純正スポーツ車のブレーキタッチ、
というか握り込みのストロークに応じて制動力が増すタイプのブレーキシステムと考えれば、
普通に良いブレーキなんですが、わたしの場合ストロークじゃなくて、
握り込んでレバーが止まったらそこからはレバーが動かずに、
指先の力加減で制動力をコントロールするほうが好みだったので、
なんとかその方向に持っていきたかったんです。
で、コレ。
TOKICOのキャリパーピストンの裏側なんですが、
なんか茶色い微妙に柔らかい物質が埋め込んであるんです。
初期タッチを柔らかくするためなんじゃないかな?と。
市販車両のキャリパーだしカツーンと効かれて転倒されても困るし、
ってんで効き始めの最初をジワーッとしたものにするために、
ピストン本体が当る前に柔らかいモノを当てるようにしてあるようなんです。
でもワシ、カツーンと効いて欲し〜い!
ということでこの茶色い物質を摘出しちゃいました。
相手は微妙に柔らかい物質でしたが、中に金属の構造物があったりして、
サクサクポリポリというワケには行きませんでした。
ディスクの歪み修正
多分歪んだのはアダプタプレートだけだろうと思ったので、
ダイヤルゲージを当ててプラハンですこしずつ叩いて修正しました。
(いくらなんでもt4のステンレスがカブのレッグシールドで曲がるはずない、
それこそ豆腐の角に頭ぶつけて死ぬようなもん)
ヤマハのサービスマニュアルによると「ディスクの振れ0.15mm以上は交換」となってます。
それ以下なら良いのだろうと根気良くトントンと叩いて結局0.05mmまで修正しました。
これ以上は色んな方向に振れが出るのでディスクそのものの歪みなんだと思います。
その後の実走行でブレーキング時に「ピュルルルルー」という独特の均一な感触が出るようになったので、
0.05mmくらいまで直しておけば市街地走行には十分なんだろうと思います。
え〜ん、直らないヨ〜
ディスクの歪みのほうはバッチリ完治したんですが、タッチのほうは相変わらずフニャフニャ。
いや、さっきも言ったように普通の人が乗るには良いブレーキだと思うんですが、
オレが目指してるものに近づいてくれません。
もう、変えてないところといえばマスターシリンダーだけになっちゃったけど、
bremboといえばブレーキパーツの世界的トップメーカー。
コレが悪いワケないし、と疑いもしなかったんですが....
4Potにφ13じゃ容量が不足だったんでしょうか....
bremboってダメなん?
知り合いのKenkenさんが大径ディスクをつけるってんで、
わたしも面白いキャリパーとかないかなぁ、とヤフオクを覗いてみたんですが、
まぁ、色んなキャリパーが出てるんですがランエボの純正bremboキャリパーがやたらと出てるんです。
ランエボくらいキレた車両買ったらbremboポアしてドコゾのキャリパーに交換しちゃうのが
イケてる改造みたいなんですヨ。
更に時々遊びに来る元モタードレーサーのキムラクンというのが、
「予選で良いタイムが出たので更に上を狙おうと夜中にbremboのOEMマスターに交換して本選に臨んだら
タッチがフニャフニャで予選よりタイムが悪くなっちゃったことがありましたよ。」だって。
bremboってダメなん....?
イヤ、全部ダメなわけじゃありません。
Haruさん
もCBRに付けたレーシングラジアルを絶賛してたし、
レーシングマシンのキャリパーなんかもよくbremboが付いてるの見かけます。
bremboってOEMとレーシングで商品の性格をハッキリ分けてるんじゃないでしょうか?
OEMってのはパーツ屋さんで投売りするほかにもBMWなんかの純正品として使われてたりするので、
一般人向けにかなりプアーな設定で設計しておいて、
それなりの人が使うであろうレーシングはカチッ、パキッとしっかり作る、と。
確かにレーシングマスターなんかOEMの倍だもんなぁ〜....
そしてこれが決定的となったのは、GILERA-RUNNER
のブレーキ強化のときでした。
「Gアクは4Pot+bremboφ13でマスター容量不足っぽかったから、今度はNISSINφ15.8にしよ」と。
ところがこの組み合わせを組んでみるとガチンガチンに固すぎて使い物にならないんです。
確かにφ15.8(5/8inch)というと4Potをダブルで装着してる車両向けです。
でもbremboφ13のフニャフニャ感から想像するとこのくらい上げないと
目指すタッチに届かないと思ったものですから....
これを受けてようやくマスター径とキャリパーピストン(スレイブ)径を表(→
参照
)にして整理してみたところ、
4Potといえどもシングルで使うならφ12.7もあれば十分であり、
φ13でフニャフニャだったのはあくまでbremboOEMマスターの仕様であった、
という結論に辿り付きました。
というかそういった検討を行うのはパーツ購入前にしてもらいたいと強くオレに要求したい。
わざわざマスターを交換したいなんて思う人はOEMなんか買ってはイカン。
だって純正部品じゃん。元の木阿弥じゃん。
ここは「一般人向けに性能を落とす」という器用なことが出来ない、
日いずる国のガチガチウタマロマスターを、
スレイブ径と照らし合わせた油圧レシオで径を決定して用いるのが良いと思われ。
ここでbremboさんのために補足しておきますが、
機械を作るうえで「若干緩く作る」というのはガチガチに作るよりも品質管理が難しいんです。
OEMとして若干緩いマスターシリンダーを安定して生産できるということは、
やっぱりbremboはブレーキパーツの世界的トップメーカーである、ということなんです。
つまりマスター変えなきゃダメぽ