最北端を目指そうじゃありませんか


グランドアクシス改造奮闘記TOPへ





形状製作

わたしが乗ってるG-Axisは買ってから2ヶ月後の夏、沖縄に持ち込まれた。
沖縄でまさかの事故なんかも潜り抜けつつ次の年の夏、 「最南端(波照間にも行った)押さえたんなら、最北端も行くでしょ?」という単純な動機から 北海道ツーリングの計画を立て始めた。
 
沖縄旅行で多くのキャンパーと知り合い、「次はキャンプで」と心に決めていたので、 G-Axisを長距離キャンプ対応仕様に改造し、なるべく宿はとらずに自分の身とG-Axisだけで 北海道を攻略するのである。





リアボックス

沖縄で出会ったキャンパーはみなバイクのリアシートに大きなボックスを載せて、 その中からキャンプ道具を出してキャンプを張っていた。まるでドラえもんのポケットみたいに 色々な道具が出てきて、端で見ていて愉快であった。
 
わたしも長期キャンプに挑戦するならデカいリアボックスを積むのだ。 以前、段ボール入りの大荷物を運ぶ際に(この時点で4輪は処分済み)作った、 リアキャリア延長プレートにボックスを載せることにしよう。
 
 

まずは単純に延長プレートの上にボックスを載せてみる。

ボックスは以前から使ってたガラクタボックス が適度な大きさだったので、 同じものをもう一個買ってきて、プレートとボックス底に穴を明けてM6トラスネジで固定した。
 
 
そしてこの形でキャンプ道具の調達に走りまわって様子をみてみたのだが、 リアボックスがプレートごとピッチングして背中を叩きまくるのである。 痛いだけならガマンのしようもあるが、これだけの振幅で振動してはアルミ鋳造のリアキャリアが 持つハズがない。
 
早急に改良せねばと思いつつも、買い物に出た以上予定した品物は調達して帰る。

主にキャンプ用品を調達した“SPORTS DEPO”。
川崎の浮島近くにあり、偶然近くを走ってて立ち寄ってみた店。 ちょうどシーズン前でテントの見本品を店先に並べてたので目に付いたのだ。
キャンプ用品を始め、スポーツ用品全般を扱っている。 この店で大概の買い物が済むと同時に“まとめ買い”をするとその割合に応じて キャッシュバックが多くなる。

ボクチャンがやったんじゃないヨーン。
 
 
このSPORTS DEPOでテント、コンロ、ナベセット、クーラーボックスなど 色々購入してきた。
 
半年後にこのSPORTS DEPO横で爆音off中に職質を受けることはこのときはまだ知らない。
 

こちらは“東宝日曜大工センター成城店”。
自宅から一番近いホームセンターで、東急ハンズニコタマ店より店舗が大きく品揃えも豊富。 ここではリアボックス、ステップボックス、補強フレームの材料のほか、ネジ、ボルトなど 大概の機械要素は調達することができる。





リアキャリア補強

初回の買出しで見事に露呈したリアキャリアの強度不足を改善する。
G-Axisのリアキャリアは2ケツ用の取っ手から後ろが“一枚板”状の側面形状なので、 この部分がフニャフニャとタワんでリアボックスがピッチングするのだ。
 
なんとかこの一枚板部分をリアキャリア取り付け基部と連結させてトラス(三角形)形状の構造体にしたい。
 
リアキャリアを取り外して、手にとってシゲシゲと見ていると、良さげなフィーチャー(構造体)が目にとまる。 キャリアを鋳造する際に融解したアルミを型に流し込む“湯口”の痕だが、 円柱状に垂直に立っていて、いかにも「タップ立ててくれ」と言ってるようである。

M5のタップを裏から立ててキャリア上面まで貫通させる。
このタップ穴にM5の全ネジスタッドを立ててリアキャリアから伸びた補強フレームを連結させる。

リアキャリア上面に突き出た“垂直補強スタッド”。
スタッド先端に接続ブロックを取り付けてアルミアングル製の補強フレームを連結する。

補強フレームを連結したところ。
補強フレームはボックス取り付けボルトで延長プレートと共締めにされ、 垂直補強スタッドに連結される。 これによりボックス取り付け面、延長プレート、補強フレーム、リアキャリアが三角形断面を構成し リアボックス全体の振動を抑制すると共に、その振動エネルギーはリアキャリアではなく車体フレームに 分担させる。

後方より。
この補強工事によりリアキャリアのピッチングは激減(あたりまえ)。
3週間/6,000kmの行程を無事に走破することができた。
リアキャリアは現在も補強を取り外して普通に使っている。





テントセットの運搬

買ってきたテントは“3人用”という\4,980のもの。
キャンパーの友人のミッチーから「一人用じゃなにかと不便だから3人用がいいよ」 とアドバイスされたので、その通り3人用を買ってみた。
なるほど、取り敢えず荷物を全部テントの中に放り込んでテントの中で整理できるのだ。
 
テントは幌とポールをコンパクトに畳んでひとつのバッグに収納できるようになっているのだが、 ポールを別にして、空いたスペースにグランドシートを入れることにした。

当初はこの缶でポール先端を受けて補強フレームにくくり付けようと思ったのだが、 フレームへの固定方法で悩んでいたところ、ディスカウンとストアのアウトドア用品のコーナーに ペットボトルホルダーを見つけた。
コレをフレームに止めてポールの残りの部分を太いヒモでフレームに固定することにした。





おおまかな形状は決定

これが北海道ツーリング前半の形状。
 
 
補強フレームにテントのポールを下げて、リアボックス上にテント幌部一式とベッドとなるレジャーシート。 水タンク(走行中はカラ)。
 
ステップ上のボックスは車体にボルト止めなのでオイル補給のたびにバラすことになる。(スゲーメンドーだった)
そのステップボックス上に日中の水分補給のためのクーラーボックス。 常に一缶は携行が必要なオートルーブが乗る。





各収納ボックスの中身





リアボックスの中身

ロックを解除すると圧縮された中身に押されてフタが「バホッ」と開く。

まずは“入浴基本セット”。
ミッチー曰く「シャンプーは石鹸に替えれ」。
うーん、さすがに髪は石鹸じゃなぁ〜。「ボトルを小さいのに変えて温泉の備え付けから補充すれば?」 あ、なるほど。

この袋は青森のマエダストアで買った発泡酒が入ってきたもの。
これとタオル一本持って合計で23湯の温泉を入り倒してきた。

たまにこの“入浴拡張セット”を追加してじっくり入浴する。

中身はカミソリ、ローション、洗濯洗剤となぜかブリーチまで。

医療用品。

カットバン、マキロンジェットのほか、去年の沖縄旅行で事故ったとき自分で3針縫った “プチお裁縫セット”もモチロン医療用品の仲間なのだ。
余談だが、お裁縫セットの糸はナイロンのテグスに入れ替えてある。

これがリアボックスの中身全部。Box込みでしめて13.6kg
先の各セットのほかに着替え(パンツとTシャツそれぞれ3枚づつで足りた)、寝袋、空気まくら(超便利)、 雨具、タオル、地図、温泉ガイドなど。

地図などはリアボックス前部にゴムバンドで挟んで、その前に水タンクをくくり付けた。

テントとレジャーシート。旅行後半ではこれと水タンクの配置が入れ替わり、 重いものが下にきて重心が安定した。
このセットで3.4kg

青森のねぶた特設キャンプサイトの仮設トイレでクスネたトイレットペーパーの包み紙。 白熊ブランドだ。





ステップボックスの中身

ステップの上にはこのステップボックスとクーラーボックス。
重量15.8kg
ミッチー曰く「クーラーボックス。これは重いでしょ?」 たしかに。でも手で持ってたワケじゃないんで気にはならなかったなぁ。

走行時のクーラーボックスの中は大抵こんな感じ。
腐ると困る調味料と、日中の水分補給のために前の晩に1,2本飲み残したビール。 たまに飲みかけのワインがコーラの150mLボトルで入ってたりする。
水は前日にビールなんかといっしょにコンビニで買ったロックアイスが解けたものだ。

ステップボックスのフタを開けたところ。
蓋の裏側にはテントの張り方説明書が貼ってある。

中身はザッと食料品が主。米、パスタのほか各種調味料。
ホントはステップボックスがワンタッチで外せたら箱ごとテントの中に運び込んで、 クイックに食事ができたことだろう。
底のほうに工具箱も入ってる。

種類別に分けられた調味料各種。

中身はパスタソース、ふりかけ、お茶漬けの素、インスタント味噌汁、ティーバッグ、 エトセトラエトセトラ。
だいたい夕食はパスタかご当地の特産品(毛蟹一杯まるごととか、ししゃも300gとかカルビネギ塩400gとか)で、 朝食は飯盒炊爨のごはんにふりかけと味噌汁と前日に買っておいたサラダとかだった。

調理道具。
左がコンロで右がアルミ製の炊飯道具セット。
その間のハリガネ製の輪っかはご飯を炊く時の“弱火”をつくるための上げ底。 ガソリンコンロは火力の調節が苦手で、ご飯を炊くくらい弱火にすると消えちゃうので、 青森のホームセンターでハリガネを買ってプライヤーナイフで曲げて作った。

ミッチー曰く「パン焼き用の網を入れる」という手もある。
最後にウラ技もご紹介があります。
袋から出して....

展開したところ。
コンロはバイク用のガソリンをそのまま使えるものを買った。バイクのタンクから油差しでガソリンを給油する。 一回満タンにすると三日(夕食3回、朝食3回)くらい持った。
炊飯道具セットはフタがテフロン加工のフライパンになっていて、中からはマトリョーシカ人形みたいに 小ナベとかマグとかが出てくる。

ステップボックスの中身を取出すと板が張ってあって....

予備のドライブベルトが入ってたりする。

携行していった工具箱。
ミッチー曰く「たがねとかノギスとかヤスリとか金づちとか・・・。 こんなの使うの?」 えへへ、ほとんど使いませんでした。(笑)

基本工具はもとより、テスター、ガス式のハンダゴテ、ステップボックス固定ブッシュの予備、 ここには写ってないけど予備のプラグも。
ミッチー曰く「こんなもの持ってる旅人見たことないよ。笑ってしまったよ。」
 
 
おおよそ考えられるトラブルから自力で人の棲むところまで辿り付けるよう考えて工具を選んだが、 実際は「あわやガス欠」みたいな工具に関係ないトラブルくらいしか起きなかったし、 帰ってミッションを開けてみたらかなり重要な部品に クラックが入っていてエンジンオシャカの一歩手前だったりと、 トラブルが起った日には工具だけでは済まなかったかもしれないが、持っていれば安心。
 
大きなトラブルといえばバッテリーが一個死亡して、バッテリー交換後にヒューズも切れて仕方なく 直結にしたくらいだろうか。一番活躍したのは腰から下げた プライヤーナイフ だったのは間違いない。

こんな細かい工具も持って行ったけど使わなかった。
現地で携帯が死亡したけど、工具でどうにかなるものではなかった。





メットインボックスの中身

メットインボックスの中は情報処理関係が主。
なぜかというと電源を供給して各機器を充電する必要があったから。
走行中の余剰電力で電子機器の充電をしていたというワケ。

携帯のほかバイオノートなどが見えるが、電源は?

メットインボックスまで発電系が引いてあって、DC/ACインバータで交流100Vにしたのち 電源Boxに供給する。
ミッチー曰く「走りながら充電てのもすごいね。車並みだ。」
パソコンはなくても携帯の充電をするのに小さいインバータは1個あると便利。 ガソリンさえあれば常に情報機器が使えるのだから。

電源Boxとはバイオノート、携帯、デジカメ、単三形ニッケル水素電池の 各充電器のガワを剥いで一つの箱に収めたもの。
 
 
その他に、テント内照明用のL.E.Dランプ(コレも自作)、ランプを駆動する予備バッテリー などが入っている。
 
デジカメはコードだけメットインボックスから引っ張り出して、 グローブボックスの中で充電していた。写したいものは突然現れるものだから。

メットインボックスの中身と身につけていたもの。
これらがしめて6.8kg
 
 
 
 

この写真はツーリング最終日、茨城の小木津での最後の給油のときのもの。
重いテント用品がリアボックス上からシートに移動して重心が下がっている。
これだけで走安性はだいぶ向上する。





まとめ





地図、GPSについて

今回も、以前の長野ツーリング の際に導入したGPSを付けて行ったのだが、ほよんどログ取りに使っただけだった。 街中で、はっきり目的地が決まってるなら音声ナビにしたがって走行するとサクッと目的地に着くが、 特に目的地もなく、海岸線をひた走るような今回の旅では活躍の場がなかったと言える。
 
そんな旅で役に立つのはコンパスだろう。コンパスは今回出発後にその必要性を感じて函館のホームセンターで 車のダッシュボードに貼り付けられるものを買った。
自分がどの方角に走っているかが分かるので、“いつのまにか逆走”みたいな事態を未然に防ぐことができる。





積載貨物について

テントや各ボックスとその内容物の重量は合計で39.8kgになる。 わたしの体重が68kgなので105kgのおすもうさんが乗っていたのと同じというわけだ。
 
実は、沖縄で知り合ったスーパーキャンパー“ミッチー”と東京に帰ってから呑んだとき、
「北海道に荷物40kg積んでツーリングに行ってきたよ」と話したら、
「積みすぎだよ。最低限で20kgくらいで済むはずだよ」とおこられた(笑
 
たしかに、ビバーク地のコンビニなんかでその都度買えば良いものまで積んで走ってはいたが、 ちょっと無理をして走っていて夜になってしまって、やむなく道の駅の植え込みでテントを張ったときに 一応満腹で寝られたのも、余計なものまで携行していたおかげじゃないかと思う。
 
こんな激重仕様でも、時には39.5km/Lも走ったこともあったAxisには感謝である。
 
 
 
 
 
夏ならばこれくらいの装備があれば日本中どこでも行けそう。
 
あと、ホームレスになってもこれくらいの装備があればなんとかなりそうだなぁ、
などと妙に開き直ったりしてる今日このごろデス。





ミッチーからアドバイス来る

先のスーパーキャンパー“ミッチー”にこのページのアドレスを送って、 今回の旅行装備の評価をお願いしておいたら返信が来ました。
 
文中にも追記したけど、返信の内容の旅行装備に関する内容を下記に記しておきます。
 
 
荷物は、着替えとかキャンプ用品には余計なものはたいしてないと思うなぁ。 俺もそんなもんだと思うよ。けど、林道を走ったりするようなツーリングだと、 細かいところを少しずつけずって軽くしていくけどね。
たとえばさあ、入浴セットの歯ブラシの横にあるやつ、シャンプーかな? これなんかは、石鹸に替えたりとか、 もっと小さい旅行用のものにするとか。 で、中身が減ってきたら、ホテルの風呂なんかに 入った時に備え付けてあるシャンプーの中身を移し替えちゃったりとかして。(笑)
でも、あまり物を小さくしたりバックを小さくする事ばかり考えてると毎日が疲れちゃうもんね。
 
純ちゃんのコッヘルいいねえ。四角くて。 俺もこれほしかったんだ。 あと、重さの最大の原因になってるのが、純ちゃんもわかってると思うけど、クーラーボックス。 これは重いでしょ? けど、スクーターの旅だったら俺もやってみたいね。 しかし、水分補給に ビールですか? ここまでやったんなら、七輪も積んでみたら?(笑)
 
あと、車積工具。 なんか、普通の人じゃ持ってないようなもの積んでるよね。 たがねとかノギスとかヤスリとか金づちとか・・・。 こんなの使うの?
純ちゃんらしいと思ったのが、ハンダごて、テスター、電工ペンチ。 こんなもの持ってる旅人見たことないよ。 笑ってしまったよ。
すごいと思ったのが、メットインのスペース。 走りながら充電てのもすごいね。車並みだ。 最近はノートパソコン持ってくる旅人も多いのかな? 俺の友達も旅にノートパソコン持ってってたよ。
 
コールマンのコンロの弱火のしかた、前に話したっけ?
俺も弱火にするとき、純ちゃんがコッヘルとコンロの間に針金入れるように俺の場合はパン焼き用の網を入れる。
その他にいいやり方があるんだ。 これはたぶんキャンパーの中でもだれも知らないと思うんだけど、 ご飯を炊く時、まず強火にするでしょ。 で、沸騰したら弱火にする。 この時、沸騰したら、一旦火をとめて、ガソリンを入れるフタをゆるめて、中の空気圧を 8割くらい抜く(抜き具合は自分で研究してみて)。 そしてまた火をつける。 こんな事をすると、不完全燃焼で赤い火が出そうな気もするけど、コックを全開にしても安定した 弱火になるんだよ。 でも、自分のコンロでは出来たけど、他の人ので試した事ないら、もしかしたら 出来ないかもしれないけどやってみて。
注意する事はご飯を炊く場合じゃなくても、最初はしばらく全開の強火にして、コンロをあっためてから やる事ね。
 
それでは、 また呑みましょう。
みつる
 
 
たしかに工具とかは使わないものが多かった。
でも北海道というと先のSSまで何十kmなんて大平原を想像しちゃうから、 心配になって積めるだけ積んでしまった感はぬぐえない。
実際50,60kmくらいSSが無くてガス欠しそうになったことがあったし。
 
でもスクーターってのは荷物を積むところがいっぱいあって、 特にステップなんかは重心が低いので重いものを入れても走安性に悪影響を与えることもないから、 自然と積みすぎ傾向になってしまうんだと思う。
 
課題としてはオイル給油口へのアクセスと更なる低重心化だろうか。
ステップボックスのおかげでオイル補給が面倒だったが、 ステップボックスを外さずにオイル補給ができればもっとステップボックスを大型化して、 そのぶんリアボックスの高さを押さえて低重心化を図ることができる。
 
ただし、ステップボックスがあるとフットレストに足が伸ばせないので、 長距離移動のときはヒザがつらかったけどね。
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送