エンジンハンガー延長とオーリンズリアサス

BW's100RX改造記事TOPへ
 
 
 
Gアクに乗っていた頃から、リアホイールを大径化すると相対的に車体が小さくなって、 サイドビューが寸詰まりになるという現象が気になり、 エンジンハンガーを延長して寸詰まりを解消する策をあれこれ考えてました。
5年前(!)の記事
 
考え始めた当初は、純正ハンガーにくっついてる小さいバネがエンジンの振動吸収の肝だと思って、 これに替わる振動吸収措置を考えているうちに壁にブチ当たって、 エンジンハンガー延長計画そのものが頓挫していました。
 
あれから5年(w)、車両も変わり、マニホールド製作のために車体を観察していたところ、 ヤマハがエンジンハンガーとメインフレームに施した、ある関係に気付くこととなりました。
 
それは「走行状態ではエンジンハンガーはフローティングしている」という点。
当初エンジンの振動吸収のためだと思っていたバネは、 走行状態(センタースタンドを上げた状態)ではフレームとは接しておらず、 エンジンハンガー回転中心に圧入されたゴムブッシュのヒネリ反力が振動を吸収していて、 エンジンハンガーは文字通りエンジン前部の重さをブラ下げているだけだったのです。
 
そうなるとエンジンハンガーの延長は実はあまり難しいことではなくて、 取り敢えず延長プレートを継ぎ足してみて、 ゴムブッシュの反力がエンジン前部の重さやパワーオン時のトルクに耐えればそれでOK!といえそうなのです。
 
しかもエンジンハンガーを延長するとサスがレイダウン状態となるので、 車重・体重を乗せるとエンジンユニットが後ろへ引っ張られて、 ゴムブッシュの反力を補助する力が強くなると考えられるのです。
つまり延長すればその延長量に応じてそれなりに機能しそうなんですよ、限度はあると思うけど。
 
それなら、まずは自分の欲しい延長量でプレートを作って、車体を組み上げてみましょう。

 
 
まずはサスの交換から 

エンジンハンガーを延長すると、 サスの下部マウントが後ろに下がるので、 サスユニットも延長する必要があります。
 
純正サスユニットを延長することを考えても良いかもしれないのですが、 上下の軸間が325mmである汎用オーリンズがハンガー延長後のサスユニットとして丁度良いんですよね。
 
で、例によって一度「オーリンズ着けたいなぁ」って思うと他の選択肢とかは目に入らなくなっちゃうワケですよ。
さすがに今度は新品を買うわけにもいかないので、 ヤフオクをウロついてO/H可能な型番のものを探して入手しました。
 
今回入手したのはXJR1200の純正部品で、サス本体に「YA52○0」の刻印があるもの。
汎用型である36PR等 と同様に輸入元の カロッツェリアジャパンでO/H が可能なものです。
 
ツインで使うサスペンションなのに、一本サスのスクーターにどうやって使うのか?
って一本だけ使うんですが、一本だけで大丈夫なのか?
それが大丈夫だったんです。
友達のKey-m君というのがやはりヤフオクでオーリンズを一本だけ入手してわたしのところに持ってきて、 「ランナーに着けたいので取付用品作ってください」と言ってきたので、 取り敢えず着けてみて後でスプリングを交換するなどして調整するつもりで用品を製作。
着けてみたらスプリングの圧縮長の調整くらいで使えてしまったんです。
サスペンションマウントキット
 
使えたのはイイとしても、オーリンズのフルアジャスタブルがスクーターに必要か?という議論もあるかと思います。
でも逆に、BW'sのエンジンハンガーを延長した場合のための専用サスペンションなんてものは無いのだから、 長さ/スプリング圧力/減衰力まで全部調整できるフルアジャスタブルを取り付けてしまえば、 あとは走りながら調整していけば良いわけでなんです。
色んなサスペンションユニットを購入して、結局どれもダメでした、なんて結論に至るよりは、 最初からオーリンズのフルアジャスタブルを導入しておくのが結局は一番低コスト、となる場合もあると思うんです。
 
見た目もイケてるし、サスユニットの剛性も純正より二回りくらい高そうですしね。
 
 

エンジン側のエンドアイは“コの字形”にしないと付かないので
 

新造したサスペンションブラケットを取り付ける、と。 (05031201_09
できるだけ全長を縮める必要があったので、 ロックナットを使わないで直接取付/締付ける構造にしました。
 

上側はSUSでカラーを作ってワッシャで隙間を埋める構造に。
 

ガワとの接触部は当たり具合を見ながらホットナイフで広げていく。
圧縮減衰調整のツマミを回すために、この写真よりさらに横方向に広げました。
 

エンジンハンガーを延長してない状態では、これくらいサス長が余ります。
 

センタースタンドを上げ底してやらないと組立できませんでした。
 

そしてできたのが「BW'sのサスをオーリンズにしたらこうなりました」というこの写真。
かなりヒップアップな仕様で、 センタースタンドを掛けてもセンスタの片側が浮き上がって、 サイドスタンドで立ってるような傾き具合です。
 

こちらは純正サスだったときの状態。
 
ま、こういうのが好きな人もいるだろうけど、 わたしにとってはエンジンハンガーを延長する過程での一次的な形状です。
 
続いてエンジンハンガーの延長に話を移したいと思います。

 
 
延長プレートの製作 

延長量はかなり以前から「5cm」と決めてました。
なぜかと言われると返答に困ります。勘です。
 
5cmというのは後ろに伸ばす量で、今回は下にも伸ばします。(というか下げます)
前の項のマニホ製作編で、 エンジンユニットが2〜3cm下がれば楽にビッグキャブを取付られそうだな、と思ったからです。
エンジンハンガーとエンジンの連結点を下に下げたからといってライディングポジションが上がったり下がったりするわけではありません。
車体に対するエンジンの位置はサスペンション長さのほうが影響が大きいので、 エンジン取り付けポイントが下がるとエンジン前部が下がったようなサイドビューになるかと思います。
その上にサスも延長するので、実際にエンジン前部が垂れ下がったような印象になるかどうかは組んでみないと分かりませんが。
 

そしてできた延長プレート。
この形状で後ろに50mm、下に30mm、それぞれエンジン取付ポイントを移動することになります。
これを純正ハンガーの内側にボルト締めする構成です。
U字型の切り欠きがエンジンハンガーの横棒に嵌合して延長プレートの位置決めになります。
 

 
 
延長プレートの取付 

ハンガーの内側に延長プレートを取り付けるので、 エンジンユニット回転中心のシャフト(カラー)をその分短く削る必要があります。
スナップリングプライヤーでリングを外せば、クランクケースを割らなくてもこのシャフトを抜くことができます。
 

短縮加工をしたシャフトを組みなおして、エンジンユニット側の調整は完了。
 

エンジンハンガーに延長プレートを取り付けます。
 

で、例によって試作ミス。
「このくらい入るでしょ?」みたいなノリで大盤振る舞いなRにしておいたらビミョーにクランクケースに干渉しました(汗
取り敢えず試作ですから、干渉部を削り倒して組み立てます。
製品版は一回りスリムな形状にしないといけません。
 

 
 
ケーブル類の調整 

エンジンユニットを後ろに下げるので、 ブレーキやらスロットル、オイルポンプコントロール等のケーブル類の長さが足りなくなるのは想像に難くありません。
 
スロットルケーブルはキャブを変えるついでに引きなおし必須。
オイルコントロールも長めのケーブルを流用して作り直すようでしょうか。(←そのままでOKでした)
リアブレーキのケーブルは、リアがドラムでBW'sより車体が長いMajesty125のケーブルを買ってみました。
型番:5CA-F6351-11、価格:\2,289
 

上がMajesty125用、下はBW'sの純正ブレーキケーブルです。
マジェ用のほうがケーブル先端で275mmも長いです。
 

ケーブルの両端末は互換性があったので、取り敢えず取り付けてみました。
純正ケーブルと同じルートで引き回すと、先端でこれだけ余ってしまいます。
 
さぁ、どうしたもんか。
色々取り回しを変えて引き回してみたんですが、どうやっても長すぎです。
これだけ無理して長いケーブルを引き回すんなら、 まずは純正ケーブルの敷設ルート変更を試してみるべきだったんじゃね?
 
というわけでもう一度純正ブレーキケーブルを取り付けて、 車体下面での引き回しルート変更をやってみました。
 

写真を撮ったんですが、暗くてよく分かりません。
純正(工場出荷)状態ではフレームの下側をゆったりと通っていましたが、 フレームの桁組みの中を通してルートを短縮してみたらなんとか使えるようになりました。
 
この取り回し変更をやる前に工場出荷状態の取り回しで純正ケーブルを組んでみたところ普通に組めてしまったんですが、 センタースタンドを上げてリアタイヤが接地した瞬間にブレーキが掛かってしまい、 そのままではNGであることが判明。
取り回しの変更を行うこととなったわけです。
 
まぁエンジンハンガーを5cm延長するくらいなら、 一応純正ケーブルでも取り回し変更くらいで使用できることが分かりました。
 
オイルポンプコントロールケーブルは元々タルみ気味だったのか、 特に取り回し変更を行う必要もなくそのまま使えてしまいました。
 
ヘッド温度センサーのケーブルは足りなくなっちゃいました。
デイトナから延長ケーブルが販売されてたので、それで繋ぎなおしました。
 
スロットルケーブルは全くダメです。
ケーブルが届かないとかそういうレベルではなくて、キャブ&エアクリが延長プレートにガッツリ当たってるので、 純正キャブと純正エアクリはそもそも使えないようで、 キャブを前か後ろに向ける前提でエンジンハンガーを延長しなければならないみたいです。
延長プレートの形状変更でキャブをかわすことができるかどうか、というあたりは全く検討してません。
いずれ機会があったら純正キャブを着けた写真だけでもアップロードすることにしましょう。
 

 
 
完成 

Good!
自分的には大満足の出来です。
ハンガーを延長する前の「寸詰まり状態」はキレイに解消して、 逆に「普通な感じ」に戻ったという気がします。
 
 
意外にタイヤが地面から浮いてます。
これはクリアランス保持プラグの効果でもあります。
 
これならGアクのセンスタが使えるかもしれません。
Gアクのセンスタは高さが下がって上げ下げが楽になるとともに、 幅もBW's用より狭いのでバンク角をかせぐことができます。
 
 

幅広リアタイヤを強調するビューで撮ってみました。
 

右側ビュー。
「5cm」という延長量は控え目かな、とも思いましたが、 リアホイール&タイヤ大径化で寸詰まりとなった印象を元に戻すということで考えれば的を射た値だったのだと思います。
 

そしてなんといってもエンジンユニットとメットイン釜の底との間に出来たこの広大な空間。
「どんなキャブでも入れてみな!」という感じです。
(この時点ではキャブはついてません)
 
えぇ、やりますとも。
前向きマニホでPWK28つけますよ。
 
 
エンジンパワー強化に先立って、プラットフォームの整備ができました。
これからキャブ→クランク&シリンダ→マフラー(チャンバー)とチマチマ成長させていきたいと思います。
 

BW's改造続く

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送