延長エンジンハンガー
グランドアクシス改造奮闘記TOPへ
AeroX用扁平ワイド大径ホイールを入れると
エンジン周りは超カッコヨクなるのですが、 全体を眺めるとタイヤが大径化したせいで寸ヅマリな感じがします。
「エンジンユニットをそのまま後ろに10cmくらいずらすとバランス良くなりそうだなぁ〜」
それと同時期にあるoff会で会ったしょうちゃんさんがやっぱ「延長ハンガー作れません?」 とおっしゃってたので、製作可否の判断も含めて検討をしてみることにしました。
1).CADデータ生成
イキナリ切った貼ったをやるつもりはありません。必要最小限の形状をCADにブチ込んである程度机上で検討したいものです。
しかし、立体物を平面図形化するのにノギスやメジャーを使おうとしても、 基準位置を固定できないため測りようがありません。
そこで側面写真などを利用したりするんですが、 今回はサービスマニュアルのイラストを利用することにしました。
このサービスマニュアル2-13〜2-19項までのイラストは手書きではありません。
ヤマハが設計時に作成した3次元CADのデータから落とした平面図と推測できます。
そのため比較的正確な側面図・平面図としてCADデータを作る土台として使うことができるだろうと考えました。
ヤマハから生のデータをもらえれば苦労はしないんですが、 ヤマハが苦労して作ったデータを社外に出すわけなんかありません。
1-1).サービスマニュアルイラストのスキャニング
サービスマニュアルのイラストをスキャナーに掛けるんですが、 より歪みなくスキャンするためには多少の犠牲は止むを得ません。
ええ、切りぬいちゃいましたよ。
スキャニング作業はスキャン後に出来るデータの1ドットが1mmに合致するデータとなるよう、 解像度と縮尺を調整します。
特に平面図は中心線が入ってるので、画稿台の上で原稿をチマチマ回転させて、 中心線の始点と終点のY座標が一致するまで何度も何度もスキャンしました。
うまく座標が一致した時には思わずキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━━━!!ですよ。
1-2).スキャンデータのプロット
スキャンしてできたビットマップをペイントで開いて、拡大→グリッド表示させ、 ボルトの図形の中心、輪郭線の始点・終点の座標を読み取り、 CADに点を落として行きます。
ペイントの情報表示のY座標はなぜか上端がゼロなので点を打つときに Y座標の数値にマイナスを付けます。
打った点を線で繋いで行くと図形が出来上がっていくんですが、 口で言うほど簡単な作業じゃありません。
要所要所で実物を測るため、Gアクは二日ほど腰のところで切断された状態でした。
三日もかかってコレだけっ!
これだけやってたわけでもありませんが。
全ての要素を入力してたら年を取ってしまいます。
フレーム、エンジンハンガー、そしてこの後にクランクケース(エンジン)、 メットインボックス、オイルタンク、キャブ取付位置くらいでやめておこうと思います。
3).実車測定時に浮上した問題点
2-1).
キャブのフィッティング
これからエンジンハンガーを10cm後方へ伸ばそうとしてるワケなんですが、 ハンガーを後ろに伸ばすとエンジンがまるごと後ろにずれるので、 キャブもいっしょに後ろに下がります。
するとどうなるかというと....
キャブが10cm後ろに下がるとフレームのエンジンマウントポストにすっぽり隠れてしまいます。
わたしの場合は自作マニホでキャブを前か後ろに向けてしまおうとしてるので問題ありませんが、 KITACO製や台湾マニなんかを使ってる場合はキャブの取付が絶体絶命です。
KITACOのワークスマニで後ろに向けるとどうなるでしょう?
これは
以前作った水道管マニホ
なんですが、 10cmも下がるとファンネル部がメットインの壁にぶつかりそうです。 となると直キャブでもつらいんじゃないでしょうか。
ワークスマニを180°回して前に向けることは原理的には可能ですが、 リードバルブポートは水平ではなく角度がついてます。 180°回す事によってその角度が2倍になってマニの入り口が下向きになるでしょう。 下向きキャブなんてカッコワルイですよね。
でも一つ面白いアイデアがあります。できるかどうかワカンナイけど。 一般的な横向きマニホを180°回してキャブを車体の右側に出すんです。 アドレスV100みたいに。
エンジンハンガーにブチ当たるような気もしますが。
2-2).
アクスルボルトの長さ
これはノーマル状態のエンジンハンガー部を上から覗きこんだ図ですが、 アクスルボルトはt3.2の鉄板を2枚止めるギリギリの長さしかありません。
延長ハンガーの構成がまだ決まってないのでどっちになるか分かりませんが、 長いボルトを探してくるか、エンジンのマウントベアリングに刺さってるφ17のカラーの 両端を削るか、どっちかはやらないとダメでしょう。
自分としてはφ17のカラーは短ければ短いほど剛性があがると思うので カラーを削る方向で考えたいところです。
3).
延長ハンガーの設計
3-1).
リンク比の検討
エンジンハンガーはそれ自体がサスペンションの一部になっていて、 エンジンの振動をスプリングで吸収してフレームに伝えないようになってます。
エンジンハンガーを延長するとこのスプリングに掛かる力が延長量に比例して大きくなり、 ノーマルと同じ使い方では全く使えません。
ただし、このスプリングはノーマル状態では右側に一個使われているだけで、要は片持ちになってます。 スウィングアーム(兼ミッションケース)が片持ちだからってハンガーまで片持ちにすることないのに。 昔のJOGはここは両方にスプリングが入ってましたよ。
コストダウンの結果なんでしょうが両方に入ってたほうが車体の安定性が増すと思うんですけどねぇ。 しかもこのスプリング\95だって。じゅっこ使ってもセンエンしないジャン。
決定ー!このスプリングは両方に入れることにしましょう。
水色がノーマルのハンガーの図形、黄緑色が延長ハンガーの暫定形状。
細かい計算はここには書きませんが、ノーマルと延長バージョンのエンジンハンガーの回転トルクがイコールとなるよう 延長バージョンのレバー比を算出します。
振動吸収スプリングはノーマルは片側一個ですが、延長バージョンは左右に1個づつ計2個入れることにしてるので、 スプリング取付スパン“L21”は1/2にすることができます。
スプリングをタンデムで4個使いにすれば、さらにL21を小さくできるので、 うまくフレームのマウントポストの中に納まるかもしれません。
マウントポストはスプリングをタンデム配置するには 良さゲな形状してますからね。
図形を描いてみるとスプリングは片側3個まで入ることがわかりました。
そのぶん更に延長できることになりますが、延長量はあまり欲張らずにマージンのほうに回したいところです。
どんどん想像上の形はできてくるんですが、本当に出来るんでしょうか....
ここまで2003/7/31
SEO
掲示板
[PR]
爆速!無料ブログ
無料ホームページ開設
無料ライブ放送