PWK再トライ:リードブロック編



グランドアクシス改造奮闘記TOPへ  
 
PWK再トライ:マニホールド編へ
 
 
 
以前使ってた後ろ向けマニホ+PWKはパワーは満足だったんですが、 メットインボックスが使えないとやっぱり不便なので「今度は前に向けたいな」と思い、 マニホの構成をあれこれ悩んでるうちに5ヶ月も経っちまいました。
 
「金属管とか使うと結構形が制約受けるんだよなぁ」なんて考えて足踏み状態になってたんですが、 ある日、ふと「自由形状ならパテが良いジャン」と思い立って事態は急展開。
マニホの主構造を市販のエポキシパテで作って、 PWKとの接続部にキタコのインシュレータを使うことにしました。
 
また、Axis90にお乗りの方から「Axis90にTZMのリードブロック乗せたいのでゲタ作ってください」 と仕事の依頼がありまして、わたしもTZMのリードブロックがチョット気になったので、 そいつを取り寄せて装着してみることにしました。
 
と、いうワケで本編はPWK再トライプロジェクトのリードブロック換装編です。 前回つけてたRZ用のリードブロックとの違いやなんかを中心に話を進めていきます。





リードブロック改造編





RZ50用とTZM50用のリードブロックの違い

実は注文しに行く時点でTZMってどんなバイクだか知らないんですよね。
G-Axisに乗りかえる前の3,4年は新しいバイクに対する興味がすっかり無くなってたので、 当時の2輪業界の動き全体に無頓着になってたんです。
 
「なんだNSR50ジャン」正直な感想です。“TZのミニ”なんですね。
ま、車体は使わないので興味なし。
 

注文の翌日には入手できました。
型番:4EU-13610-00、価格:\4,830(2002/7月時)
 

でもって、何が違うのか?
取付やなんかの寸法は丸っきり一緒です。
でも開口面積がTZMのほうが大きいんです。 まぁ、リードの根元に近い部分は開きが少ないので、 ここが広くなったからってメチャ吸気量アップというワケにはいきませんが。
あとリードが樹脂製、リードストッパが若干形状変更、といったところです。





イキナリ処刑ぇ〜、みたいな

取り付け寸法とかは前回のRZ用と一緒ってことは追加加工も一緒。
側面をG-Axisのクランクケースに入るように39.5mmまで切削。

ジャマな角をラウンド加工して....

ボルトを通す穴を新設する、と。





流路段差の充填

リードブロック内部は四角断面なんだけど、マニホのほうは当然円形断面で、 スクーター以外のちゃんとした2st車ではこの四角と丸の断面をスムースに接続する部品が付くんだけど、 TZMのものは形状の制約で使えないし、前回機械加工で作ったのも使えないし。
 
でも「マニホをパテで作る」ということは決まってるので、 ここもパテで作っても手抜きだという人も居るまい。
 

つーわけでパテ〜。
セメダイン社の“エポキシパテ・金属用”ってやつです。
60gで\630です。けっこう高いけど意外に使いデがあったりします。
練るとき用にプラスチック手袋が同梱されてるんだけど、 そんなもん使うとイイ仕事ができません。「体質によってヒドイ目にあうかも」、 とかパッケージに書いてあるけど。

輪切りにして指先で良く練ってリードブロック内側に盛り付けていきます。
「混合気の流れが良くなりますよーに」と念じながら良さげな形状を練りこみます。
夏場は5分もすると発熱しはじめて10分でハンドパワーを受け付けなくなるので、 作業は迅速に。
これくらいだと60g一本のうち1/4くらい使います。

クランクケース側から見るとこんな感じです。
ネジが入れてあるのはパテでネジ穴が塞がらないようにするため。
混合気が流れやすい形状ってのは言葉にするのが難しいですね。 模型で言うところの“造形センス”ってのが必要になると思うんです。 つっても自己満足のレベルですが。

マニホとの接合面をヤスリでならします。
 
パテを盛ってできた穴は円形に似てますがホラ穴みたいにデコボコです。
まず穴をできるだけ真円に近い形状に、またリードブロックの中心と合わせたいんですが、 ここで活躍するのが形状検討に使ってるCAD。
 
CADの図形を実寸で印刷してリードブロック天板に合わせて正確な穴位置と形状をケガきます。
印刷するときプリンタの1ドットで印刷すると、シャープな平面図が印刷できるので、 これを材料に貼り付けてポンチングなんかするとケガキ作業が要らなくなります。
 
最近は板材から削り出す部品はぜんぶこの方式で穴あけ、外形削り出しをしてます。 かなり自由な形状が作り出せるのでもっと早く思い付けばよかった、と思ってます。
 

で穴の入り口が整ったら中をリューターで整地します。
「混合気の流れが良くなりますよーに」と念じながら。

ケース側から。





出来あがり〜

ノーマルリードと比べると、「う〜ん、イージャン、デカイジャン、サカイじゃぁ〜ん」って感じ。
今回はマニホとの接合面が平らなのでノーマルマニホにも適用できます。
リード締め付けネジは頭の低いボタンボルトに変更。 クランクケースとの干渉を回避してブロック全体をよりケースに押し込むための小技です。

ノーマルマニホと組み合わせたところ。納まりも良い感じです。
取り付けボルトは長さが足りなくなるのでM6×30に取り替えます。 ボルトがステンレスになってるのはわたしの習性によるものです。
 
マニホの口に掛けてあるバンドは全ステンレスのホースバンド。 しょっちゅう締めたり緩めたりする所なので、純正のバンドがちぎれちゃったんです。 純正バンドよりしっかりしてて錆びないステンレス製をチョイスしました。 DOIT(ドイト)青葉台店で\190で売ってました。





せっかくだからノーマルマニホでも使ってみる





トラブル発生

PWKを取り付ける工事が難航(特にエアクリ)してるので、 せめてBIGリードブロックだけでも先行して取り付けることにしました。
「何のことはない、付けりゃイイだけじゃん」と思って、 取り付けてボルトを締め込んだらトンデモないことに!

「やけにいつまでもヌルヌル締まるな」とか思ってたら「ペキッ」って音がして マニホベースの芯金が割れてしまいました。
 
 
TZM,RZ用のリードブロックは縦方向の長さが短いので、 ノーマルマニホの上下が浮いた状態で締め付けることになるんですが、 以前のフル自作マニホはベースが円形で材質も変形しにくい鍛造だったので、 浮いた状態でもボルトの軸力を十分に支えてました。
 
ところがノーマルマニホは必要最小限の大きさしかない上に、 ベース材質が弱い鋳造だったために割れちゃったんです。





受圧構造変更

これまではリードブロック前後はボルトをカワす程度の加工しかしてませんでしたが、 ボルト穴の周りを大きくさらってベースと同じ厚さのカラーを仕込んで、 カラーでボルトの締め付け軸力を受ける構造にしました。
 
 
リードブロックベースの上下の与圧が減ることにもなりかねませんが、 マニホベースが割れたら軸力そのものが喪失状態になってしまうので、 最悪の場合クランクケースの雌ネジが遅れ破壊に至ってしまいます。
 
そういえば、 以前のマニホシステムが突然不調に陥って使用停止したんですが、 そのときはマニホ・リード取り付けボルトが4本全部緩んでました。
こんなところに原因があったのかもしれませんね。
 





ノーマルマニホにて試走

割れたマニホベースには、締付軸圧が分散するように真鍮のカラーをはさんで、 応急処置を施してNoripapaさんのオフに参加。
当のオフ会でしょうぢさんからノーマルマニホを頂いちゃいました。 しょうぢさんThanksです!
 
 
中速域のトルクが上がります。高回転は逆に変化なし。
ちょうどこの頃ナゾの発進ストールに悩まされてたんですが、ストール領域を過ぎると明らかにトルクが太いです。 でも発進が×だとスロットル開ける気になりませんよね。
 
そうこうしてるうち、駆動系のセッティングを変更すると一時的に加速が回復することが判明。 どこの変更が原因なのかはイマイチ不明なんだけど、発進加速が回復するとこのビッグリードと 進角微調整のオカゲでピックアップがメチャ元気に!
 
まー、これだけデカい部品に変えれば何かしらの変化があって当然、と言えば当然なんですけど。





というワケで好結果を以ってリードブロック編は終了ぉ〜
PWKとの組み合わせが楽しみであります。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送