クラッチハウジング穴あけ加工

 
 
 
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その話は突然現れました。
 
いつか来るとは思ってたんですが、タイヘンそうな加工なので敬遠してたんです。
でもある日「クラッチハウジングに穴あけてもらえません?」
と、言われちゃいました。え?誰にって....
 
このクラッチハウジング(クラッチアウターなんて言われることもあります)に穴をあけると、 穴の分重量が減るので、理論上は回転マス低減となります。
この部分で回転マスを低減すると、 クラッチミートやその後の回転上昇などが向上するような気もしますが、 「苦労の割りに体感は少なかった」なんて話を聞いたこともあります。
 
とは言え実際の効果は未知数(ということは向上する可能性もゼロではない)だし、 どのくらいタイヘンなのかも見当がつかなかったので、 取り敢えずわたしの車両のクラッチハウジングを実験台に加工してみることにしました。





初期重量計測

オッと、勇み足。
ちょっと削っちゃったけど1gもないでしょ。 初期重量は477gでした。



外側カバー(?)撤去

クラッチアウター本体の外側にスポット溶接で取り付けられてるカバーを 溶接部をエンドミルで削って取外します。
これは比較的簡単に外すことができました。
 
 
ところでこの薄いカバーは何のための構造なんでしょうか?
もちろんハウジングの保護のためじゃないですよね。 ミッションケースの中にこのハウジングを攻撃するようなものが入り込んだら ハウジング以外の部品がぜんぶオシャカですよ。
 
クラッチ鳴きを防止するためかな?なんて思ったことがあります。
よくオッチャンの乗りっぱなしスクーターが発進の時に「キュキュキュキュキュ」って 鳴きながら加速していくでしょ?
アレと同じような音が発生するんだろうかと。
以前、JOGに乗っていたときにこのカバーをタガネとカナヅチでやっつけたことがあるんですが、 そのときはヘンな音は発生しませんでした。
性能向上もなかったような記憶があります。
 

カバーを取外すと417gになりました。
カバー撤去だけで60g減りましたね。
 
キッタネェなぁ〜、レース車が色塗りたくなるのも分かる気がします。 でもわたしは塗りませんよ。どーせフタするんだし。



穴あけ

フライス盤に回転テーブルを取付けて、 テーブルを20°づつ回転させて、 等間隔で13mmの穴を10ヶあけました。
計測写真を撮り忘れましたが、383gになりました。
 
 
ホントは12ヶあけたかったんだけど、イヤ〜な場所にバランス取りの穴があって、 これを避ける形で1ヶ、その軸対象にある部分の1ヶ、計2ヶの穴あけを断念しました。
 
運良くバランス取りのないハウジングをGETできれば12ヶフルにあけることができます。
その場合は100gチョイの軽量化になります。



試走



軽量化の効果は?

正直、スマンコッテス。よく分かりません。
以前、ケミカルヲタク様のサイト の注意書きで「チューニングの効果を感じやすい人とそうでない人がいるようです」
なんて記述をみかけたことがありますが、わたしがその“そうでない人”なのかもしれません。



クラッチ鳴きは?

これも発生はありません。
あの薄板カバーってホント何者なんでしょうね?



何も効果なし?

そうでもなかったんです。
クラッチの熱ダレに対する耐性が上がったみたいなんです。
 
久々にマフラーをShotGunに戻して、それといっしょに軽量ハウジングを装着したんですが、 以前ShotGun+ノーマルハウジングで走ってたとき、 まだ暑さが本格化する前だってのに時々ヘンな加速失敗に陥ることがあったんです。
発進時にトルクが出る回転に入る前にクラッチが貼り付いちゃって、 エンジンがストールするような。
走り出してしばらくすると出始めるし、5月ころ(まだ涼しいころ)は出てなかったので、 駆動系の熱ダレだろうと考えてましたが、 これ以上ミートタイミングを上げたりWRを軽くしたりするとバランスが崩れて乗りにくくなっちゃうので どうしたものかと頭を痛めていました。
ボアアップシリンダだとちょっとやそっとクラッチがヘマをしても無理やり回転上昇するので 問題無かったんですが、新しいシリンダを買う金がないですし....
 
ところが穴明きハウジングで走ってると、以前よりかなり暑い(試走時気温33℃)のに、 なかなかストールが起きません。
 
ストールが出ていたときは気温がせいぜい26〜28℃、 にもかかわらず信号ダッシュの5回に1回くらいストールして、 本気で抱き付きボアアップシリンダに戻そうかと思ったくらいですが、 穴明きハウジングだと30kmチョイの試走で1回「あれっ」とストールっぽいのを感じたくらいでした。 というかストールする仕様だったことを忘れていました。



もしかして熱対策?

ノーマルハウジングってカバーで熱がこもりそうだし、 シューとの摩擦部からだいぶ中心部までカバーされてるので熱が逃げにくいですよね。
 
このカバーを取っちゃって、さらに穴をボコボコ穿つことによってハウジング本体の放熱面積も上がるし シューから発生する熱が穴を通って放出されやすくなりそうです。
 
モトチャンプ誌でこのハウジング穴あけ加工の記事が出てたことがあるそうなんですが、 どんな内容だったのかわかりません。
有名なチューナー(あるいはレーサー)くらいになると軽量化で加速の違いなんかを 感じることもあったのかもしれませんが、 わたしのレベルではこのクラッチの放熱量増加のほうが効果があったと感じます。

そうやってこの写真をもう一度見てみると、 なんかいかにも放熱しそうに見えてきませんか?
 
クラッチからの放熱量が増えたとなると駆動系全体の廃熱を もっとマジメに考えるとさらに熱ダレ耐性が上がりそうな気がしてきます。
 
 
それにしてもあのカバー何なんだろなぁ〜?
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