プーリーストッパーって使ってダイジョブ?



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プーリーストッパーのページを公開してからしばらくして、 「あるスクーターレースにお詳しい方から」とのことで以下のような懸念をいただきました。
 
  1. プーリーストッパー装着でWRがプーリーの外側の壁にあたらないようになっていると、 ランププレートに負担がかかってしまうのではないか・・?
     
  2. 使用するVベルトの状態によっては、低速側でベルトと干渉してしまうのではないか・・?
もっともな懸念だと思います。ノーマルと違う構造にしてしまうので ノーマルでは本来考える必要のないことも心配しなければならないのが 改造のツライところですから。
 
また2などは試作段階で実際に確認された現象でもあるので、 コンテンツを見ただけでこれが予想できてしまうのはさすが経験の差なのかなぁ、 と思った次第です。
 
では上記の懸念を放置して良いのか?
いえいえ、決して放置したわけではありません。
以下にわたしの見解と、改善が必要になったものについての対策を解説します。
 





1).について

ノーマルプーリーにプーリーストッパーを投入し、 WRがプーリー外壁に当たって止まる手前で止めてしまうと、 WRに掛かる遠心力のプレートへの垂直分力が掛かりっぱなしになります。
 
厳密に言うとノーマルプーリーであっても、 ベルトをセンタースプリングの反力に抗してリフトしているので、 WRによる負荷は掛かりっぱなしです。
この負荷が抜けるか弱まった瞬間ベルトは低速側に移動を開始するわけですから。
 
そして実はいわゆる“ハイスピードプーリー”は たいがい外壁がガイドスロープを延長したような形状になってるので、 WRが外壁に当たらずに停止し、ランププレートに負荷が掛かりっぱなしになるという点においては プーリーストッパーと同様です。
 
つまりWRを外壁に当てずに途中で止めることによるランププレートへの負荷増大は、 プーリーストッパーで初めて問題になったことではなく、 大方のハイスピードプーリーの使用により元々発生していた問題なのです。

これはわたしが以前から約18,000kmに渡って使用してきた4VPランププレートです。 現在も継続して使用してますが、ランププレートの表面はWRとの摩擦で微妙に歪んでます。
プーリーストッパーとの併用は 駆動系セッティング変更履歴表において5/21-21305.8kmから 6/22-21879.4kmの約600kmです。
 
 
しかし、この歪みは最高速付近でのみ発生しているわけではなく、 変速開始から終了まで、まんべんなく着いてます。
WRを途中で止めることがランププレートへの負荷増大を招くのであれば、 最高速付近の歪みだけが突出しているはずです。
このランププレートは外壁を持たない(WRを途中で止める) ハイスピードプーリーで18,000km使用したものなので、 WRを途中で止める構造についての安全性はすでに確認済みである、
と考えてます。
 
「歪んだランププレートなんか使い続けるなよ」、という意見は出るかもしれませんが、 ここは人柱として一枚のランププレートをどこまで使えるか、 ということを検証してみようと思います。
モチロン、プレートへの負荷が一番大きくなるように、
ハイスピードプーリーかプーリーストッパー、もしくは両方を使用して。
 
 





2).について

これについては試作時にわたしの車両で実際に干渉を確認しました。

手前が試作時にわたしの車両に装着したもの。
ベルトがプーリーストッパーの外周をなでてピカピカになってます。
 
 
 

左図は試作時のプライマリプーリーセットの様子です。
オレンジの線がそのときのベルトの位置ですが、 水色で示したノーマル5FAでのベルト位置よりだいぶ下がってるのがわかります。
 
 
 
そしてボス上のプーリーストッパー(青)とベルト(オレンジ)底面との隙間は図面上で1.8mmです。
 
1.8mmも隙間があれば十分だと思ったんですが、 おそらく加速時のように大きな負荷がかかるときはベルトがシーブに喰い込んで、 プーリーストッパーの外周と干渉したのだと考えられます。
 
これに対してノーマルプーリーでの ベルト底面とプーリーストッパー外周の隙間は6.3mmあります。
 
 

ここでもう一度この写真。
手前の試作ストッパーの外周にマジックでマークが着けてありますが、 これはこのストッパーをノーマル5FAプーリーにそのまま入れて、 ベルトと干渉しないかどうか確認したマーキングです。
このマーキングは走行後のもので、マークに剥がれやコスれは無く、 干渉がなかったことを示しています。
 
 
わたしが試作に用いたプーリーはシーブを削り込んでベルトを落とし込んでいたために プーリーストッパーとベルトが干渉していましたが、 シーブフェイス無加工の5FA/4VP/マロッシプーリーにプーリーストッパーを適用する場合は干渉することはありません。
 
もちろんわたしの車両みたいに無理やりベルトを落とし込んでる車両では、 ベルトとプーリーストッパーが干渉するケースが出るかもしれませんが、 そこまで改造した車両に適用するならそれなりの覚悟を持って適用の可否を判断してください。
 
 





指摘はされてませんがツッコまれる前に説明しておきます

ここまでに使った図解でお気付きも方もいらっしゃると思いますが、 5FA/4VPプーリーでプーリーストッパーがスライドシーブの動きを止めるときは、 スライドシーブのオイルシール正面を押します。
 
「ゴム面を押すの?」と心配になる方もいらっしゃるでしょう。
 

これはオイルシールの切断面の写真ですが、 このオイルシールは全部ゴムで出来ているわけではなく、 強度確保用の鉄リングを中心にして成形されています。
 
 
つまり、プーリーストッパーはオイルシール面を押しますが、 オイルシールの強度は内部の鉄リングの強度に依存するので、 オイルシール正面を押したからといってオイルシールが壊れるわけではありません。
 
 
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