プチオーバーホールのウソについて


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プチオーバーホールとは?

これは駆動ケース内部やVベルト表面を清掃/脱脂して、摺動部品にグリスを塗布する作業に名付けたものです。
なぜプチ“オーバーホール”としたかというと、加速性能回復のために定期的に必要を生じていた作業だったからです。  
駆動系のセッティング変更を行ってから200〜300kmほど走行すると加速性能(ゼロ加速、再加速共)が落ちてくるため、 原因を探ろうと駆動系をバラして各部をチェックします。
しかし特に異常が見当たらないので、そのまま組み直すのも芸が無いということで脱脂とグリスアップをして組み直すと 加速性能が回復してたので、駆動系清掃とグリスアップが加速性能の回復をもたらすのだと思ってたんです。
 





プチオーバーホールに疑念を抱き始める

加速が落ちたまま乗ってても楽しくないので定期的にこの作業を行ってましたが、200km走行毎に駆動ケースを開けて 中身をイジるのもイカガなものか?なんとかこんなことをしなくても良い方法は無いものかと思ってました。
 
ところが、10,000km走行したあたりから、このプチオーバーホールを施しても加速性能が回復しなくなりました。 ちょうどセカンダリシーブを3AAに換えたのと同時期だったのでこれのせいかと錯覚したものでした。
(実際は3AAシーブとは無関係でした)
 
その後、かねてから計画していた北海道ツーリングの準備に取り掛かりました。キャンプ用品などの調達に走りまわるあいだも 一向に回復しない加速性能が気がかりでしたが、なんとか準備を終えて出発前日に燃費重視セッティングに変更しました。
プチオーバーホールに疑いを抱き始めていたので、あえてボスのみグリスアップ、WRは完全脱脂して組んだのですが、 北海道ツーリングの間6,000kmの走行で加速の低下を感じることがありませんでした。
 





トルクの掛けすぎ?

ツーリングのあいだじゅう(走ってる時はヒマですから)なんで加速が落ちないのか考えてました。
 
ツーリングのため大人しめに走ってはいましたが、以前長野にツーリングに行ったときはちょうど200kmくらい、 目的地に着くころにはセッティングが崩れて加速が悪くなっていたので、走り方は関係なさそうです。
 
グリス切れで加速が悪くなったのでもありません。WRなんか最初っからグリス塗りませんでしたから。 ボスのグリス?特に変わった塗り方はしてないので関係無いと考えました。
 
そういえば、これまでプライマリプーリーのセンターナットを規定を上回るトルクで締めてましたが、今回は規定に近い値で締めました。
なんで最初から規定値で締めないのかというと、G-Axisの前に乗っていたAxis-90で、規定値で締めると加速が上がらなかったからなんです。
G-Axisの締付トルク規定値が30N・m(300kgf・m)、今回は32N・m、前回まで掛けていたトルクは36N・mでした。
断定はできないけど、ツーリングから帰ったら規定値かそれ以下のトルクで締め付けてしばらく走ってみようと思いました。
 





コニカルワッシャーの変形

総走行距離6,000kmに及んだ北海道ツーリングから帰還し、ツーリング用の荷物を降ろすとなぜか途端に加速が悪化。 キックダウンだけが異常に悪いのでセッティングが合ってないというよりは例の加速性能の悪化がぶりかえしたと考えたほうがよさそう。

セッティング修正と共にせっかくだから駆動系をオーバーホールすることにして、 ベアリング、オイルシール、コニカルワッシャーなどの消耗品をゴッソリ注文しました。

そしてそのころ行ったプライマリフィクストフェイスの加工の際、 駆動系をバラして、取外したコニカルワッシャーを新品と比べてみると それまで使ってたほうはペッチャンコになってました。





センターナット締付トルク規定値、コニカルワッシャ新品→加速回復

いっぺんに何もかもやっちゃうと原因が分からなくなるので、新品ワッシャーを組む時にプチオーバーホールは掛けませんでした。
 
センターナット締付トルクは規定値の30N・m、組み上がったセッティングはなかなか良い感じです。
ベルト清掃もグリス塗布もなしに加速が回復したので、いよいよプチオーバーホールは加速性能回復とは関係なさそうです。





比較検討のためプチオーバーホール→変化なし

コニカルワッシャーを新品にして規定トルクで締めつけたことにより、プチオーバーホールを掛けた時と同じくらい 加速が回復してるのでこれ以上変化はないだろうと思いましたが、以前加速が落ちたときにやっていたように 駆動ケース内清掃とグリスアップをしましたが、やはり変化はありません。 ひとっ走りしてWRを脱脂して組んでも良好に加速します。
 





センターナット締付トルク低めがキモか?

プライマリプーリー締付トルクを規定値まで下げて良好な加速を得られたので、それから少しづつトルクを下げてみて、 25N・mでもちゃんと走ることを確認。ただし距離は走ってないので耐久性は不明です。
 
25N・mは最下限と捉えて、トルクを30〜25の間で上げ下げして走行。その間同一セッティングで500kmほど走ることもありましたが、 特に加速性能が低下するということはありませんでした。
 
現在は締付トルクを27.5N・mに固定してセッティングしています。走行距離によって加速が低下することがないので、 プチオーバーホールを掛けても変化はありません。こうなるとボスグリスなんか超メンドクサくなって入れ替える気にもなりません。 WR調整の時もあえてベルトカスなどの除去なしに組替えてますが、とくに異常をきたすこともありません。 時々気分転換にブレーキクリーナーを大噴射して駆動ケース内を清掃することはありますが、それによって何かが良くなることもないし 脱脂したからといってボスやWRにグリスを塗り直すことをしなくても何かが悪くなることもありません。
 
原因については推測の域を出ないし、現状で最良の結果が出てるのでこれ以上アレコレ考えるのもムダというもの。 低め締付トルクで克服できないセッティングズレが出たときにあらためて考えなおすことにして、 今後は「プチオーバーホールは加速性能回復には効果ナシ」、「センターナット締付トルクは規定値かそれよりも低めで」 という方向でセッティングしていこうと思います。
 





でも、キッタナイまんまで良いというワケでもありません

なお、0-50計測などのシビアなセッティングではVベルト表面の清掃が効いてくる場合があるそうです。 今回わたしが言う「加速性能の低下」とは、明らかに乗ってブルーになるような性能低下のことであり、 シビアな局面でのベルト清掃はちゃんと加速する段階から更にベルト滑りなどを減らすために有効な手段 と考えるのが妥当でしょう。
 
その場合でもベルト表面の清掃は中性洗剤などで行う方がいます。そのほうが良いと思います。
わたしが使ってたベルトは今まで3本も断烈しかかってます。 芯線がベロンチョし始めた段階で気付いてるので断烈には至ってませんが、 プチオーバーホールの度に有機溶剤であるブレーキクリーナーをかけられたことでVベルト材質が劣化した可能性もあります。
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