ハイギア取り外しとギア室オーバーホール


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最初はノーマルギアに戻すだけのつもりが....

もう少しでフロントが浮くくらい加速してるのだ。またFTRなんかに負けるのも気に入らない。
 
以前から、絶対パワーが不足気味の状況ではハイギアによる最高速アップは僅差でしかなく、 下り坂で勝ててもなんだかなぁ〜?と思っていたので思い切ってノーマルギアに戻してしてしまうことにした。
 
ギアとしての品質はノーマルより数段上だったのだが、エンジンパワーに見合ってないのでは 宝の持ち腐れというものである。
 
何の気なしにハイギア取り外しにかかったけど、ギア室をバラした時点で、ベアリングも新品にしたくなった。
実は北海道ツーリングから帰ってからファイナルギア室の消耗品一式(ベアリング、オイルシール、コニカルワッシャ)を 買い揃えてあった。もうすぐ20,000km走行に達するので、オーバーホールしようと思っていたのだ。
 
オーバーホールするならこのタイミングを逃す手はない。
しかしメクラ穴に圧入されたベアリングを外すにはベアリングプラーは必須だろう。
 





ベアリングプラー

安い市販品が手に入れば言うことは無いのだが、市販品はいったいお幾らするものなのだろうか?
 
 

R246下り、用賀付近にサンケン という輸入工具の専門店があるんだけど、そこのカタログは 見ていて飽きない。「こんな専用工具まであるの?」なんて。
そこのカタログのベアリングプラーのページを見てみると何種類かあるのが分かる。
これは一番わかりやすいかたちの内輪の内側にツメをかけて引っ張るタイプ。 値段も\6,290と手ごろだけどベアリング引きにしか使えない感じ。

コレも同じくベアリングの内側を引っ張るタイプ。
\18,000は出せないなぁ。

こういう基本セットを拡張してもいいと思う。このあとロータープラーが必要になるはずだし。
でもアメリカ製となるとネジがインチだったりして拡張に難儀したりするものだ。 それに自分で拡張するのに\11,000も出せない。

結局作るハメになった。
全部クズ材だからタダみたいなもんだけど、時間がかかることを考えると 前出の\6,290のを買ったほうがよかった気もするが、ちょうどこの頃サイトがナゾのデリ に遭って更新ができない状況だったのでしばらくサイトはほったらかしにして作ってみた。
でもこれってベアリング引きにしか使えないジャン。
 
 
ベアリングに掛けるツメは肝なので高張力ボルトを削って作ったが、 エンドミルが一本オシャカになってしまった。アイタタタッ。
 
ヘッドとツメを連結しているロッドはアルミの角棒で作った(ほかに適当な材料が無かったので)んだけど ベアリングを引き終わった時点でピン(ニードルベアリングのニードル)を刺してる穴がかなり変形してる。 あと2回バラせるかどうかといったところなので次に使うなら同サイズの鉄棒で作りなおしたほうがいいみたい。
 
ヘッドを引くボルトは普通のJISのM10並目の軟鋼ボルト/ナットだけど、 これも細目の高張力のほうが少ない力で引けそうだ。少なくともローターは引けないと思う。





ベアリング取り外し

まずはカバーを外して内部を脱脂。
リアホイールアクスルが出てくるので、コレのケツをひっぱたけば アクスルベアリングが外れると思ったんだけど....

意外にシブトイので反対側から覗き込んでみるとC形止め輪がっ!
これじゃ外れるワケありません。Cリングを外して叩くとアクスルベアリングは外れた。

プラーのヘッドをセットしたところ。
ツメを掛けてから芯金をスライドさせてツメを固定する。

ミッションケースに渡しを掛けてボルトを入れてナットを回してベアリングを引く。

外れたベアリング。
ベアリングが動き出す瞬間、「バキィッ!」と音がした。プラーが壊れたのかと思って ビックリして取り外してみたけど異常無かった。相当キツかったみたいだ。

カバー側に圧入されたベアリングはこんな感じで外した。
ここでもニードルのベアリングが動く瞬間バキッと音がした。





新ベアリング取り付け

セカンダリ軸にハメるベアリングをハンダゴテで炙る。
ケムリが出ない程度に暖めて軸を入れて叩くと「ズコッ」と入る。
くれぐれも外輪に衝撃をあたえないように。
 
 
あとは慎重に叩いて入れるだけ。
 
取り外しでハデな効果音が出たので、穴とベアリング外輪にグリスを塗って作業した。
 
どこまで叩けば良いか?これは勘というか、叩いてミッションケースが出す音で判断している。 入ってる途中は「ズゴッ、ズゴッ」と言う感じの音だけど、入り終わると「カンッ、カンッ」という音に変わる。
取り外し前にベアリングの突き出し/沈み量を測っておくのも手だが、 完全に入ったという証拠にならない。
 
 
 
いつもはガスケットは切れるまで使うんだけど、ギア室のガスケットだけは再使用する気になれない。 今回も新品を使った。そしてミッションケース、セカンダリプーリー/クラッチ、ミッションケースカバーと組んで、 ホイール、マフラーを取り付けて作業終了。
 
せっかくホイールを外したのでバランス取りをやってみた。23.5gでバランスが取れたが、 自分でバランスを取ってみたことがないので23.5gが大きいのか小さいのかは分からない。





走行感

実は改造開始初期の頃に、ボアアップ、ハイギア、ハイコンプをまとめていじってしまったため、 ハイギア単独の入れ替えで性能がどう変わるのか知らないのだ。
 
期待したとおり、スタート時にフルスロットルかますと殿様乗りでもフロントが上がる。
といってもチャンバー車みたいに中速でのトルクの盛り上がりはないので、サオ立ちというわけではないが、 うっかりスロットルを開けて体が遅れ気味だとフロントが浮いてしまい、スロットルを戻してスタート失敗、 ということになってしまう。
メーター直上まで上体を持ってくれば不用意にフロントが上がるようなことはない。
 
最高速は落ちているはずなのだが、現状 デロのせい で高回転が伸びないので判断のしようがない。 ハイギア取り外し後は平地で90km/hくらいなのだが、取り外し前もだいたいそのくらいだった。
 
ただし、最高回転は7,400r.p.m.から7,600r.p.m.に上がっている。
前々から感じていたんだけど、スクーターの変速機構は後輪への走行負荷に応じて自動変速してしまうので、 エンジン出力アップなしにハイギアだけ着けても最高回転が下がるだけで最高速は変わらないのだ。
ならば今回のハイギア外しでも最高速はそれほど落ちることはないだろうと考えている。
 
それにしてもいくらキャブが調子悪いとはいえ最高回転が7,600r.p.m.というのは気になる。 燃焼室圧力が高すぎると高回転が回らなくなるということなので、 こんどキャブをノーマルに戻して様子をみてみようと思う。  
あと、フロントあがんなくていいからもう少しマイルドな加速になるようにボスワッシャを薄めのものに してみよう。
5FA2のセンスプもノーマルギアに合ってなさそうなのでこれもノーマルかもうすこし弱い物に変えたいと思う。
 
 
なんかどんどんノーマルに戻っていくなぁ〜





フラッシング

ギア/ベアリング交換から100kmほど走行したので、ギアオイルを入れ替える。
新品ベアリングはグリスがたっぷり付いていたのでそろそろオイルに溶け出してる頃だろう。 買い物に走ってきてまだエンジンが暖かいうちにドレインを外して一晩放置。

ノーマルギアは新車時から4,000kmほど使用してアタリは取れてるはずなのに、 抜いたオイルはけっこうギラギラ。なんかマズイことやったかなぁ? 新しいオイル入れて500kmくらい走ったらまた抜いてみよう。 それでもまだギラギラならギア室で何か問題が起きていると判断してバラしてみよう。





ギアオイル注入

メスシリンダを使うのが定石だろうが、アレを使うとメスシリンダ内面にオイルが付着して、 計った量全部は入らない。
 
そこでわたしはDIYなどで売ってる使い捨て注射器を使っている。

注射器のピストンを抜いて先端を指で押さえて(針は外しとく)オイルを注ぐ。
使ったのは35ccのシリンジなので余裕を持って30cc注入してピストンを入れて、 先端を上に向けてからピストンを押しこみ、あとはオイル注入口に注ぎ入れればOK。
この作業を規定のオイル量に達するまで繰り返すのだ。

何cc入れたか忘れるとヤッカイなので、 消し込み方式で確認しながら作業を進めよう。
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