キャブレタ換装進捗状況 その3 用品製作編


グランドアクシス改造奮闘記TOPへ

キャブレタ換装進捗状況 その2へ

 
 
 
 





各ニップル類の製作





燃料供給ニップル

デロの燃料供給ニップルは外径が8.5mm。内径8mmホース用だ。G-Axisのホースは内径6mmなのでそのままでは使えない。
異径ホース用の変換アダプタも売ってるけど、シンプルisカッチョイーし、デロ付属のスリワリ付き六角頭ボルトが カッコワルかったので作りなおすことにした。

デロの標準の燃料供給ニップル。 このニップルの先端に6mmホース用のカプラーを付ける手もあるが、シンプルな構成にしたい。

部品構成。茶色いボルトはたまたま持っていたカウル止め用のアルミボルト。 外径がオーバーサイズだったので11mmまで削った。ニップルは2面幅8mmの真鍮6角棒からの削り出し。 オーリングはガラクタ箱 から持ってきたもの。

ニップルを組立てたもの。





負圧取出ニップル

デロのスロットルバルブ後方左側に、いかにも「ココに穴を掘れ」といわんばかりに台座状のフィーチャーが あったので、そこを整地してM5×0.8Pの穴を掘って負圧取出ニップルを取付ける。

負圧ホース接続部径は部品取りキャブのニップル径に準じた。(5.3mm)





潤滑油供給ニップル

今回のデロルト改はスロットルバルブをリンクで駆動するので、アイドルスクリュー取付け穴は不要となる。 アイドルスクリュー取付け穴はオイルニップル取付けにはうってつけだ。
G-Axis用を始め、YAMAHAの2stスクーター用のキャブはどれもスロットルバルブを潤滑するような位置に オイル供給穴が開口してるのだ。さらにG-Axis用はオイル経路が分岐して駆動リンクを潤滑する構造になっている。

部品構成。オイルホース接続部は部品取りキャブから抜いて外周を5.02mmに加工したものを圧入する。 圧入する側の穴は4.5→4.8→4.9→5.0と順を追って仕上げた。

小径部品の圧入は旋盤の主軸を使って行っている。

圧入完了。





こんなんできました

オイル供給ニップル側。

負圧と燃料側。すこしづつキャブらしい形になってきた。





マニホ取付け部圧入

スロットルバルブ駆動リンクの取付け方法が煮詰まってきたので、キャブとマニホの接続部であるジョイントを 圧入してしまうことにした。このジョイントを圧入するとデロ本体を旋盤の主軸に咥えられなくなるので、 ある程度設計が進むまで圧入はオアズケにしていたのだ。
 
デロ本体の旋盤による最終加工を行ってジョイントを圧入。念のためデロの穴とジョイントの外面にグリスを塗って、 フライス盤の加工ベッドと主軸に挟んで、主軸を上げ下げするレバーを下げると「ズコッ」と入った。
 

次は入り口アダプターを作ってみよう。





エアクリ接続アダプタ

φ40白色ジュラコンから削り出し。固定は例によって圧入。キャブ側が直径35.95mmだったので、 アダプタの穴径は35.90mmにしてみたが、ちょっと緩めだ。ジュラコンは金属に比べれば柔らかいので もう少しシメ代を大きく取ったほうが良さそうだ。





スロットルバルブ駆動リンク取付ベース

まずはデロにベースを固定する部分を作る。座面を整地してM5のタップを切った。

ここ二日の成果。アルミの切粉を頭からかぶりながら作った。でも二日かかってこれだけ、と考えると 先が思いやられる。

下側ベースを取り付けて、

M5×30のステンキャップボルトを締めてオーリングをはめて、

上側ベースをかぶせてアルミのカウル止めボルトで締め付け。
イヤ、このボルト使ったことには意味ありません。見た目重視ということで。





スロットルバルブ駆動リンク軸受け部

手加工(NC加工機に対して、という意味で)も来るトコまで来た感じ。
リンクレバーが入るスペースをボールエンドミルで“彫刻”した。左側のパーツは 大きな失敗の跡が2ヶ所残ってるが、外側まで達する失敗でもないのでこのまま使う。

組むとこんな感じ。オレンジアルマイトのアルミボルトが気に入ってしまったので 上野までいって買い足してきちゃった。軸受けとなるカラーの固定は例によって圧入。 穴がデカイのは中にボールベアリングを仕込むため。ワイヤーの抵抗が圧倒的に大きいので ベアリング支持にすることに意味はないが、イイノダ。





ワイヤー巻取りプーリー

t10のアルミ板から削り出し。丸一日掛かり。
軸とプーリーの結合は例によって圧入。でも回転を伝える部品なので念のため圧入後に 穴を掘ってバネピンを打っておいた。

これはアイドル調整ネジ。
長めのM5ステンキャップボルトの、ストレート部を削ってM5×0.5Pの調整ネジとした。 ツマミはジャンクパーツ箱にあったローレット材を削ってこれまた圧入。 回転防止バネもジャンクパーツ箱の中にあったもの。

組むとこんな感じ。結局部品取りとして解体屋から買ってきたキャブの部品のうち、 使えたのはプーリーリターンスプリングだけだった。
あ、オイルニップルもだ。

「オレのデロはNASA製なのさっ」
「でも使えないんだって?」
「........(泣)」





フィッティング最終確認

取り敢えず問題ナシ。

エアクリも付く。

と、言ってもステーは作らねば。

ワイヤーがツッパリ気味。後でノーマルのプーリーの形状を再度採寸してみたら引き側ワイヤーのタイコの位置が おかしかった。穴を明けなおす。

メットインボックスも問題ナシ。

想定していたクリアランスを確保できている。
 
 
 
車体にブツカらないように設計したので当たり前と言えば当たり前だが、特に大きな問題なく取り付くことが 確認できた。
 
といっても手放しで大成功というワケでは無い。
 
  1. プーリー開き側ストッパー:すっかり忘れていた。
     
  2. プーリータイコ穴位置:正しい位置で明けなおし。
     
  3. エアクリがフレームに少し当たる:無視。
     
  4. フロート室がシュラウドに少し当たる:無視。
     





修正事項フォロー(11/10)

プーリータイコ穴位置修正。既存穴を15°引きずった。

 
 
プーリー開き側ストッパーは、スロットルバルブアセンブリが出来てみると予想以上にリンクの剛性があったので スロットルバルブの上辺をストッパーの替わりにしてしまうことにした。今後デロが本格的に使えそうなら 追加の軽量化加工と併せてストッパーを新設することにする。





スロットルバルブ駆動リンク

ガタ引きスプリングは部品取りキャブから。ピンは、下側は手持ちのニードルベアリングのニードル。 上側はオートチョークのプランジャを加工したもの。太さがちょうどφ3だった。





クイックリリース・スロットルバルブ

完成したスロットルバルブアセンブリ。
リンク下側のピンはどこに入ってるかというと....

スロットルバルブを45°回転させるとバルブの中身がポコッと出てくる。

スロットルバルブは実は2分割構造になってて、90°等配のツメで噛み合っている。

 
 
この機構はまだデロを入手してウキウキだったころに、ジェットニードルの交換や段数変更が容易なようにと 考えたもの。
その後デロが使えるかどうかも分からない代物であることが判明し、もっと簡単な(一般的な)組みたて方法に しようかと思ったんだけど、バルブの回転方向のズレをどこで吸収させるか、ピンがキャブ本体側のバルブ摺動面を キズ付けないようにする工夫などを考えていると、この2分割バルブが一番簡単な機構であることが分かって あえて複雑な加工をやってみることにした。
 
カッタウェイをベンチュリー正面に向けるのはバルブ側面に付けた溝とキャブ側のガイドの噛み合いで行う。
スロットルバルブ本体とリンクアセンブリとのネジレは2分割構造が微小に回転して吸収する。





カッタウェイについて


 
 
カッタウェイの角度は微妙なのでオリジナルと同一寸法で再現できるはずがない。
浅いほうに転ばしたら良いのか、深い方が良いのか、 Kent's Daddyさんが送ってくれたページ によると、「カッタウェイはスロットル開度1/4までの領域でメイン系からのガス吸出し量を左右し、 浅いとガスが濃く、深いと薄くなる。」と出ていた。とかくエンジンブローのウワサを聞くデロなので 転ばすなら濃い目に、ということでデロの付属品のカッタウェイより若干浅めを狙ってカッタウェイを 切ってみた。





とうとう完成

このあと、リンクベースの接合面のスリ合わせをして各部品を徹底洗浄。元通り組みなおして 取付に備える。

 
 
セッティング変更地獄?それとも焼き付き地獄?(笑)
 
シリンダを焼く前にセッティングが出せるか、見切りをつけられるか。実はこの時点でチョークの処理は なにも考えてない。こんなに寒くなるまでかかると思ってなかったので....
使えそうなら軽量化加工時にプーリーストッパーと併せて反転レバーを新設してチョークワイヤーを接続する。 現状、チョークプランジャはプーリーリターンスプリングの真下にあるので、直上に引くことができない。 とりあえずヒモでも付けてそのヒモを引いてスタートすることにしよう。
 
 
それではキモを据えてセッティング変更編と参りましょう。

デロルト装着 セッティング変更編

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送