スクーターの変速機のVベルトは走行中下側が大きくタルむ。 ミッションケースを開けるとケースのベルトの直下あたりにベルとがこすれた跡があるのですぐわかる。 ベルト上部も同様にタルむが、下側のほうが大きくタルんでいる。 これは主に加速中、プライマリプーリーがエンジンの力でベルトを引っ張り、セカンダリは走行抵抗で 反対側にベルトを引っ張るので、駆動力を伝えるベルトの上半分はピンと張り、上側が張った分 下がタルんでベルトの背中とミッションケースがこすれるからである。 反対に、上側のこすれ跡はエンジンブレーキ時についているものと思われる。 この擦れをローラーで受けてやると摩擦が減るので燃費が伸び、ベルトをタルませないように ローラーを配置すれば、たるんでいたぶんのベルト長さがプーリーへ供給されて、変速比のムダが なくなって、低速も高速も性能が改善するのではないかと考えた。 ジャンクパーツ箱の中にちょうどよいローラーフォロアがあったので、これに合わせてベースを製作。 取りつけてみることにした。 |
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用品一式。 ベースはアルミ、ローラーフォロアはTHKのNART6UURをバラして 内部のグリスを洗い流したもの。グリスがついたままだと 高回転で使用できないし、グリスが飛び散ったりしたらベルトに モロに付着する。 フレーキングが心配だが、やってみるのである。 |
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ローラーとベースをサブアセンブリしたところ。 向かって右側が上部用で、左が下部用。 |
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取りつけ穴明けは難儀した。 下側はハンドドリルで一発だったのだが、上側がボディが ジャマになってハンドドリルも入らない。 リューターにフレキシブルシャフトを付けて穴を削り出した。 それでもサスを外して尻をさげてやっと削れた。 |
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上側がケースのリブと干渉する。 リューターで削る。こんくらいどうってことなかろ。 |
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取り付け終わったところ。 |
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アイドリングさせてみるとスゴイうるさい。 ジャージャーとローラーが回転する音がする。 フタをして走り出してしまえば聞こえないかもしれないが、 どうなることやら.... |
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試走フレーキング走り出すと、「キュンキュン、キュキュン、キュンキュン」とゲーセンのシューティングゲームのような音がする。 試走どころの話ではない。どんなにウルサい小僧のスクーターだってこんな音は出すまい。 発進直後でこれでは最高速なんか出したらローラーが焼き付くだろう。 機械の設計をやっていると、ベアリングなどの既製品を適用する場合、ベアリングメーカーの カタログに記載されている定格荷重/回転数のだいたい50%程度で使用するように設計するので、 フレーキングやベアリング焼き付きなどの写真はメーカーのカタログの事故例くらいでしか 見たことがない。帰ってバラしたらめずらしい画像が見られるかもしれない。 取り敢えず、今回は大失敗である。(今回も?) おうちに帰って外すのである。 |
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回転が重くなっていた下側ローラーの外輪。 ニードル走行部にかすかなフレーキング痕。 どうせならもっとハデな損傷が見たかった。 |
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でもあきらめない定格回転の制限で小径ベアリングを適用できないことはわかった。良い子のみんなは決してマネしちゃダメだぞっ!! でもせっかく穴明けたし、アルミのケースにコスらせておくのもしのびないので、テフロンの棒材から シューを削り出して、そのシューに当てるようにしてみようと思う。 取り敢えずローラー一式を取外したが、そのまま戻すのも芸がないので プチ・オーバーホールをして フタを閉めて終了とした。 前回、シリンダ全体を底上げしてポートタイミングを変更してみた。 低速がなくなるのはある程度覚悟していたが、2次圧縮を下げたときのようなフィーリングである。 2次圧縮は測ってみないとなんとも言えないが、便所でふと、コンプレッションゲージの原理が 頭の中にひらめいた。多分市販のゲージと同じじゃないかと思う。 手持ちの1MPa(10kg/cm^2)計で作ってみて、レンジオーバーするようなら2MPaの圧力計を探して 付け替えてみよう。 これから用品製作なので、いつになるか分かりませんが、次回、 自作コンプレッションゲージ(予定は未定) |
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