クラッチ加工4回目

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パイロットエアスクリューを締め込み気味にすると焼き付きの兆候である異音が発生しないのが
いよいよ決定的となってきた。
 
ただ、締め込み気味にするとダッシュが若干落ちるのでもう一回クラッチを軽量化加工する
ことにした。
 
それにしてもクラッチ加工も今回で四回目。いままでのようにバイスに加えて直線的に加工できる部分が
なくなってしまった。
なにか新しい加工方法を考えなければ....
 
 

まずは駆動系バラし

P000180s.jpg ストマジベルトにしてから、ベルトがシーブの最上部まできれいに
移動するようになった。
 
組立て時にシーブ面にラジアル方向にマジックで付けておいたマーキングが
全部消えている。
 
 
 
P000181s.jpg 500km連続走行後のシーブ内部。
ベルトカスが堆積している。
 
 
 
 
 
 

クラッチ解体に新手法

普通はクラッチスプリングを引っ張って外した後、クラッチシューを軸から抜くとおもうが、
サービスマニュアルにあった「一度取外したクラッチウェイトスプリングは再使用しない。」
のくだりが気になっていた。
 
確かに力任せに引っ張ると思わず力が入りすぎてバネを変形させてしまうことがあるかも
しれない。
 
そこで、カンナの刃を出し入れする方法にヒントを得て、静かに力を使わずにシューを脱着
する方法を考えてみた。
 
 
P000197s.jpg まず取外し。スポンジのような柔らかいものの上にクラッチユニットを
乗せて、Eリングを外してシューの回転軸にポンチをあてて小さ目の
ハンマーで静かにコンコンたたく。
するとクラッチベースがたたかれて下方向に動く瞬間、クラッチシューは
自らのイナーシャで取り残され、だんだんシューがベースから浮いてくる。
 
この作業を3ヶのシューに均等に施していくと1,2分もしないで3ヶのシューがいっきに外れる。
軸を打つとき、ポンチ先端がクラッチシューの穴の内側にヒットするとイヤなので
ベース軸中心にドリルで止まり穴を打っておいた。
この穴にポンチ先端を当てて打てばシュー穴の損傷の危険は下がる。
ドリル径はポンチ先端に合わせて決めると良い。
 
 
 
 
P000192s.jpg 組立てはまず3ヶのシューにスプリングを掛けて仮組し
 
 
 
 
 
 
 
P000193s.jpg ブラブラのままベースの上に乗せ、
 
 
 
 
 
 
 
P000195s.jpg 穴と軸が合ったら手で押し込むと5mmほどはスンナリと入る。
そしたらプラハンで3ヶ均等にトントン叩いていけばよい。
 
 
 
 
 
 
P000196s.jpg あとはワッシャーとEリングを入れて完成である。
 
 
 
 
 
 
 

クラッチ旋回加工

クラッチは直線加工できる場所がもうない。
そこでクラッチシューの腹を円筒状に削り取ることにした。
 
手持ちの冶具は面積が小さく、クラッチの腹をえぐるには旋回半径が大きく取れない。
こんなとき行き詰まったらジャンクパーツ箱を漁るのである。
 
 
P000190s.jpg だいぶ前に処分したレコードプレーヤーのターンテーブルが出てきた。
 
これの中心と旋回装置の中心を合わせる加工を施して
旋回装置のネジ穴に合わせて固定穴をあけて旋回装置に固定。
その後クラッチシュー固定用の穴をテーブルにあけて簡易形
旋回テーブルの出来あがり。
 
 
P000191s.jpg これにクラッチシューを固定し、
 
 
 
 
 
 
 
P000186s.jpg 旋回装置のハンドルを回しながらシューの腹をえぐっていく。
 
 
 
 
 
 
P000187s.jpg 針状の切り粉がボサボサと出る。
これが踏むと足の裏に刺さるのである。
 
 
 
 
 
P000188s.jpg 切り粉を掃って加工終了。
 
 
 
 
 
 
P000189s.jpg 加工後のシュー。
1ヶ138.8g
今回から0.1gまで測れるデジタル天秤を導入してバランス精度アップ。
 
 
 
 

クラッチシュー加工遍歴

ここでいままでのシューの加工の過程を振り返ってみよう
Ver.0(未加工)のシューの写真は撮り忘れ。重量は1ヶ174gであった。
 
 
 
P000090s.jpg Ver.1
164g
 
 
 
 
 
 
 
 
P000113s.jpg Ver.2
158g
 
 
 
 
 
 
 
 
P000158s.jpg Ver.3
145g
 
 
 
 
 
 
 
 
P000189s.jpg Ver.4
138.8g
 
 
 
 
 
 
 
 

試走

良くはなったが、滑りが出始めている。(半クラ時間が伸び始めている)
クラッチシューの軽量化もこれ以上は半クラが長くなるだけで効果は出そうもない。
 
今度低速域が悪くなったらなにか別の手を考えなければならない。
亀の軽量シューキット買ってみようかな?シューパッドの材質が違うっぽかったし。
純正2枚刃クラッチという手もあるが、クラッチアウター径が小さくなるということは
トルク容量が下がることを意味するので、できればやめておきたい。
クラッチシュー削るのも、もう疲れたし。
 

キャブセットも変更

MJ#85、ニードルクリップ下から2段目、パイロットエア戻し1と1/8回転。
このセッティングで試走を兼ねて、長野旅行で壊したGPSの修理依頼に秋葉原まで出かけた。
 
やはり異音の発生は無く、エンジンは快調。しかしMJが濃すぎたのか高回転の吹けは悪い。
秋葉原からの帰り、R15からR131への分岐の陸橋上で思い切って最高速アタックをかけてみた。
いくら伸ばしても異音もなければ焼き付く様子もない。ふにゃぁ〜っと見事に吹けきった。
最高速のほうは90km/h@7,200r.p.mで頭打ちだったが、なにか出口が見えたみたいな気分であった。
 
この次はいっそMJをノーマルの#78に戻してセッティングしなおしてみよう。
トルクカム溝に段付き磨耗をかかえていたセカンダリスライディングシーブ、新品が届いた。
シーブの組替えとキャブセット再変更で横浜までプチ・ツーリング。
 
ここでとうとうベストセッティングを発見して焼き付きを克服するとともに
念願の大台突破となった。
 
というわけで、次回 セカンダリシーブ交換と焼き付き克服
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